寺田

左 須藤梓 大学3年の春にインターンに応募し、漫画家・安野モヨコのSNS担当になる。現在はファンへのメルマガ執筆や、Webサイト制作に携わることも。コルクの好きなところは、メンバーそれぞれのパワーの源がクリエイターへの深い愛情であること。

右 有馬 翔馬 大学2年の終わりからインターンを始め、漫画家・羽賀翔一と小説家・阿部和重の担当をする。WEB運営や編集業務、漫画家のライブ配信などに携わっている。コルクのスタッフ全員がおもしろいものに貪欲な姿勢が好き。

<ライター>塩谷 舞 1988年大阪の千里生まれ。京都市芸大卒。CINRAを経てフリーランスに。現在、コルクの安野モヨコチーム、小山宙哉チームでWebサイト制作・編集なども行う。

塩谷:今日は、コルクに興味がある人に向けて、出来る限り忠実に「コルクでインターンすること」を伝えていきましょう。

須藤有馬:よろしくお願いします!!!

塩谷:おぉ……気合いすごいですね。では1つめの質問を。二人は、編集者になりたくてコルクにやって来たんですか?

有馬:僕は漫画が好きで、大学2年生が終わる頃に将来のことをフワフワ考えながらGoogleで「編集者」って検索したら、佐渡島さんのインタビュー記事が出てきたんです。だから次は「佐渡島庸平」で検索したら、宇宙兄弟やドラゴン桜の編集者だと。検索すればするほど、恐ろしいほどに沢山の記事が出てきました。それを読みながら、なんだこの人はすごい!って。

塩谷:「編集者」で検索上位を占める社長の存在感……強いですね。

有馬:それまで商学部でマーケティングなどを勉強してたんですけど、少し違和感があったんですよね。市場を分析して売れる商品を生みだすというより、自分が本当に好きなものを世の中に広める仕事がしたかった。でも、それが出来る会社ってどこだろう……と悩んでいたのですが、作家さんと一緒に仕事をしているコルクに行けば、答えに近づけるかもしれない!って思ったんです。

塩谷:そこでコルクの門をくぐり、すっかり大学に行かなくなったわけですね。

有馬:最近は単位がヤバいので、行ってます!

塩谷:単位を忘れるほど夢中になれることがあるって、単位以上の財産だと思いますけどね……。じゃあ、須藤さんは?

須藤:私も「将来、編集者になりたい!」と思っていたんですが、大手出版社は大学生が入る隙なんて、ほとんどないように見えて、どこから手を出していいのかわからなくって。大学の広告研究会に入っていたんですけど、そこにいた先輩に「編集者になりたいんなら、コルクって会社があるよ」と教えてもらいました。

塩谷:でも実際、大手出版社の仕事と、二人がコルクの中でやっている仕事は、かなり違う気がします……。

須藤有馬:違いますかね。

塩谷:須藤さんは安野モヨコさんのSNS更新担当なんですよね。。

須藤:はい。私の仕事は主に安野さん、そして作品づくりのための資料整理や調査、そしてSNSの更新です。安野さんご本人は今描いている作品のこととか、日常のこととかをあげてくださるので、私は過去の作品も含め、より幅広い情報をお届けしています。SNSを見て作品を思い出してもらったり、日々の活力になればいいなと思いながら『さくらん』や『働きマン』などのシーンを、TwitterやFacebookに投稿しているんです。

塩谷:出版社の新卒編集者の方は、最初は現場主義という感じで、書店研修に行かれていたりしますよね。
対してコルクでやることは、かなりインターネット率が高いなぁと思います。いつもツイッターやFacebookの内容やリーチ数をしっかり共有して、議論していて「この会社はSNSに本気だ…!」と思わされます。

中でも私、須藤さんのツイート、好きです!これとか……キュンキュンしました。

須藤:これは私もキュンキュンしながら投稿しました(笑)。シュガシュガルーンのピエールとショコラが恋に落ちるシーンですよね。ツイッターって140文字の世界だから、二人の馴れ初めを説明しても仕方ないし……「タイムラインの中で、他と差別化したい!!!」と思って、世界観が際立つようなレイアウトにしてみました。

塩谷:1ツイートにも、100熱意くらい詰まってますね。

須藤:私、シュガシュガルーンが本当に大好きなんですよ。「なかよし」も小学生の頃、シュガルン目当てで買っていましたし、ただひたすら憧れていました。だから、小学生の私に教えてあげたいです。「大学生になったら、シュガシュガルーンの作家さんと、仕事してるよ!!」って。

塩谷:素敵な話ですね……というか、大学生で安野モヨコさんと仕事が出来るなんて、本当にすごい。東京の大学生はうらやましい…。私、大学は京都だったんで全然こんな環境はなかったですよ。
インターン生でも頑張っていたら昇格できるし、須藤さんは先月、大阪出張にも行ってましたよね。

須藤:はい!インテックス大阪で「日本女子博覧会」というイベントがあって、そのメインビジュアルがシュガシュガルーンだったんです。
イラストだけじゃなくて、ダコタローズさん、藤田ニコルさん、石田ニコルさんというモデルさん達の姿を借りて、おとなになったショコラとバニラがランウェイに登場したんです!その様子を動画や写真で撮影して、LINEやブログでリアルタイムでファンの方々にお伝えしました。

塩谷:感動冷めやらぬという感じですね。

須藤:「おとなシュガルン」は本当に盛り上がってるんですよ。少女の頃にみた「懐かしさ」って、すごく大きな感情なんですよね。「懐かしくってたまらない!」ってトキメキを、シュガルン以外の作品でもどんどん盛り上げていきたいです。

塩谷:須藤さんは一個人ファンから、公式のファンになった、という感じですね。一方有馬くんは、新人作家の羽賀翔一さん担当で、二人は仲睦まじくやっている印象です。

有馬:はい。羽賀さんはコルクに席があって、僕の横で漫画を描いてるので、他のチームにはない近さがあると思います。

塩谷:そういえば、羽賀さんはコルクの日常を描いた「今日のコルク」を、以前は毎日更新されてましたが……最近、あまり見ないのですが…

有馬:ちょっとやり方を変えたんです。最近は「今日のコルク」という形にとらわれずに色々な形で更新しているんですよ。

塩谷:というと?

有馬:自由帳って形でほぼ毎日なんでも良いので作品を更新していきましょうと羽賀さんに言ったんです。自由帳は、漫画だけじゃなくて、好きなものをどんどん出してもらう場所です。そしたら、羽賀さんの脳内にあるファンタジーが、どんどん出てきました。

塩谷:この「なめた渡し方をしても大丈夫な名刺」大好きです。

有馬:僕もすごく好きです(笑)。
羽賀さんに「自由帳をやろうって有馬くんに提案してもらって、よかったよ」と言ってもらえたのは嬉しかったです。それに、名刺の作品はKAI-YOUさんに記事にしてもらったり、堀江貴文さんがリツイートしてくださったり…これまでと違う流れで広まりました。

塩谷:二人とも、いい経験してますね……。コルクは、やる気のあるインターン生への裁量がすごく大きいですよね。

須藤:そうですね。もちろん資料整理だったり、原画をひたすらスキャンしたりと、漫画に関わる仕事はかなり地道なものも多いです。でもそれだけじゃなくて、佐渡島さんは、リスクを冒してでも私たちに社会をみせてくれる。学生のうちに出会えて、一緒にお仕事出来るのは、幸せなことですよね。

塩谷:怖くなかったですか?

須藤:最初は怖かったですけどね。

有馬:えっ、須藤さん今は怖くないんですか?僕は今も怖いですよ。何言われるかわからないし……

須藤:佐渡島さんの優しさを日々すごく感じるので、入社した頃よりは…(笑)。有馬さんは前に、服が中学生みたいって言われて、落ち込んでましたよね。

有馬:佐渡島さんだって毎日同じデニムなのに……ひどい!
まぁ服はコミュニケーションの一貫だと思うのですが、佐渡島さんと話していると、自分の人間性と向き合うようなことを言ってくれることがあってすごくありがたいです。ただ、僕はメンタルが弱いから…グサグサと…心をえぐられています…。

塩谷:有馬くん、それでよく1年半も続いてますね(笑)。

有馬:そうですね。でもやっぱり「楽しそうにやってるね」ってすごい評価してくれたりもしますしね。僕が勝手に「6月6日は(宇宙兄弟の)ムッタの日にします!」って決めて、記事を6つ更新してたら、褒めてくれたことがありました。あの時は、嬉しかった……。

塩谷:横から見ていて、想像以上になんでも言い合える関係だなぁと思いました。この前も、仕事のチャット上で佐渡島さんが「須藤に全否定された!!」と嘆いているのを見ましたが……(笑)。

須藤:これは、シュガルンのグッズ製作のお話ですね。全否定までしてないのですが…(笑)。でも、私はプロの編集者じゃなくても、シュガシュガルーンのファン世代だから、その価値観はちゃんと伝えなきゃ!って思って頑張っています。

前に佐渡島さんの意見に反対して、代案を提案したとき「なんでそう思うの?」と聞いてくれて、新しい案を実行することになりました。「言われたことをそのままやるんじゃなく、ちゃんと自分で考えてから実行するところがいいね」と褒めてくださって。作家さんやファンに何をしてあげられるか…というのがコルクの考えるべき事なので、佐渡島さんにはどんどん意見しちゃって良いんですよね。

有馬:きっとそういう空気を作るために、佐渡島さん側から僕たちとの距離感を縮めようとしてくれているんですよね…。佐渡島さんって、思考スピードが速くて、僕はなかなかその速さに追いつけていないんですよね。だから、佐渡島さんが僕のレベルにあわせて説明するのも大変でしょうし、僕が佐渡島さんの言っていることの意味を履き違えてしまうこともあります…。ちなみに、僕は単位を取るスピードも遅い人間です…。

塩谷:有馬くんは、単位がんばって取ってください!では最後になりますが、何か言い残したことはありますか?

須藤:安野モヨコさんみたいな作家さんはもちろん、塩谷さんみたいな外の人とか、いろんな働く人に出会えて、一緒に仕事が出来るってすごい環境だと思います!

有馬:ですね。ぼくは入社してすぐ『宇宙兄弟』の小山宙哉さんに会って「いい人だ!作品通りのイメージだ!」って感動しちゃいました。

でもやっぱり、自分が作業したものが誌面に掲載されるのも嬉しいですね。羽賀翔一さんの『ダムの日』(「PRESIDENT NEXT」で連載中)の担当をしているのですが、入稿作業はすごく地道で、黙々と1人でやっています。でも、雑誌が届いたときは本当に嬉しかった!

塩谷:これ言うの2回目ですけど、本当にうらやましい。私も大学生の頃にこんな経験してたら、視野広がっただろうなぁ……。二人がコルクに入社するのか、就職活動するのかわからないですけど、今みんながコルクで手探りでやってることって、実は会社員でも同じく手探りでやってることだったりするから、この経験ってすごく武器になりますよ。コルクは取り扱う作品も一流だし、ホントに良い環境だと思います。これからのお仕事もがんばってください!

親切丁寧に整えられた環境で、言われたタスクをこなすインターン生活を送るのか、二人のように少々無茶ぶりを受けながらも、タスクをこなして、さらに自分の頭を使って考えを展開していくのか?

将来的に、どっちが自分のためになるかと考えると、圧倒的に後者なんじゃないかなぁと思います。

漫画が好き、文学が好き、エンターテインメントが好き、何かを伝えることが好き。そんな場を盛り上げていくことが好き。コルクではたらく人たちは、それぞれ自分の「好き」をエネルギーにしながら、ときにはびっしりと資料整理をしたり、ときにはイベントの仕切りをしたりと、幅広い仕事に日々挑戦しています。

他のインタビューも通して、ぜひ個性豊かなコルクのみなさんの「これが好き!」というこだわりを感じてみてください!(Text by 塩谷舞)