中塚

玉川大学経営学部国際経営学科、大学4年生の夏にインターンに応募。半年間のお茶くみを経て、卒業後も通い続け、アルバイトになり、現在に至る。

就活に行き詰まって、暗中模索。そこからどうして、コルクに?

きっかけは、父が見つけた新聞記事

総合大学の商学部に通っていて、周りと同じように就活をしていました。でも、どの会社を受けるにも、これといった動機がないし、スキルもない。「やりたい仕事が見つからないんだったら、デザインのスクールに通って、勉強しなおそうかなぁ…」だなんてことを考えていました。そんな時に、父がこんなことを言ってきたんです。

「おい。里佳子の好きな、伊坂幸太郎さんの所属事務所があるらしいぞ。やりたい仕事がないなら、ここに応募してみたらどうだ?」

私は読書が好きで、中でも伊坂幸太郎さんは大好きなんです。父から差し出された新聞には、「講談社の編集者が、会社を辞めて立ち上げた作家のためのエージェンシー コルク」という記事があり、そこには私の大好きな伊坂幸太郎さんの名前もありました。

「これから行く先も決まってないし、ダメでも何か失うわけじゃない!」

そう自分に言い聞かせて「コルク」と検索して、Webサイトから「就職活動をしているのですが…」と問い合わせてみました。すると「インターンでよければ、募集しています」ってお返事が来たんです。

コルクの面接に行って、私がやりたい事を話したり、コルクの仕事について聞いたり……。その後すぐに、お茶汲みの仕方を教えてもらったんです。それが私の社会人1日目でした。

でもちょっと失敗してしまって。次の日、ローリングストーンズのTシャツを着ていっちゃったんですよ。

それで「ロックちゃん」と呼ばれるようになって、今ではすっかり定着してしまいました。愛称としては気に入っているんですけど、本当にロックな方々と比べると、私は全然ロックじゃないです(笑)。

「写植」という仕事をやり始めたきっかけは?

デザインに興味があり「やります!」と挙手

最初は何も出来ることがなかったし、コルクに居させてもらうだけでも、ありがたかった。仕事がなくて、給湯室でマグカップをひたすらピカピカに磨いていたくらいです。

でもそんな時、社員さんから「写植をやってみたい人いますか?」って聞かれて。印刷やデザインに関わる仕事に興味があったから「やります!」と手を挙げました。あ、写植というのは、漫画に文字を入れていく作業のことですね。

そこで、まずはAdobeのインデザインの使い方から教えてもらいました。でも最初は4ページの写植に3日かけてしまうくらいに時間がかかって……。失敗して、操作がわからなくて止まっちゃって、何回もやり直して。

作業スピードも遅いのですが、ミスもありました。文字がまるまる吹き出しから抜けているのを気づかずに出してしまって、その時は編集者さんが気付いてくれて修正出来たのですが……。「文字が抜けたまま世に出ていたら」と想像するだけで胃が痛くなります。作家さんの作品を扱うことは、責任重大です。

ですが、会社のみんなはそんな私にも粘り強く付き合ってくれて、写植という仕事を任せ続けてくれました。今では最初よりは随分早く出来るようになったし、みんなに写植のことを教えられるようにもなりました。

写植を担当した『テンプリズム』

その後先輩に「次は待ち受け画面、作ってみない?」って言われました。私がコルクの面接のとき「デザイン系に興味があって…」と話していたのを、ずっと覚えていてくれたんですよね。

そこで、宇宙兄弟とか、テンプリズム、安野モヨコさんの作品の待ち受け画面を作らせてもらうことになりました。

これは日々人が月面着陸したシーンなのですが、宇宙兄弟のキャラが全面に出ているものより、こういったさりげないものの方が使いやすいだろうと思ったんです。

待ち受けを作るときは、コルクと一緒にお仕事をしているデザイナーの先輩にもらったアドバイスをすごく参考にしています。「テンプリズムはスピリッツで連載してる作品だから、青年の人が待ち受けにするときに、キャラクターは使いにくいよね。読者層を考えてみて」って。

ファンの方からの反響は、編集者の同僚がよく教えてくれます。「ロックちゃん、今回は反響大きいよ!」って、リツイートの数字やコメントを教えてくれたりして。

コルクで働くということは?

仲間と一緒に、作家さんの作品を世界に伝えること

それに、宇宙兄弟担当のユヒコちゃんなんかは私の作った待ち受けを見て「ファンの人から見たら、こうだよ!」ってハッキリと意見を述べてくれる。そんな同僚がいて、いろいろフィードバックをもらいながら仕事していると、チームで働くことの楽しさみたいなのも実感できている最近です。

これからは、もっといろんなことに関わって、作品をより多様な形で伝えられる仕事をしていきたいです。でもやっぱり、写植の仕事も楽しいんですよね。文字をハメて、漫画の完成の瞬間を見届けて……。写植は職人仕事だから、深めようと思うと、もっともっとすべきことがあると思います。私はまだまだ半人前だから、自分の出来てないところをちゃんと発見して、スキルを伸ばしていきたいです。

あとは、やっぱり私がコルクに入るきっかけになった、小説家の伊坂幸太郎さんとお仕事をしたいんですけど……これはまだ夢です。いつか出来たらいいな、って希望を持ちながら、働いています!